空を見上げる皇帝ペンギン。
高校の時は遠目に見ていたから、周防くんの後輩とか先輩とか知らないなぁ。向こうの大学の後輩なのかな。すごく楽しそう。
「最初に名前を言わないと誰か分からないだろ。それに、どうしてここの…、」
戻るね、と口パクで伝えると頷きが返される。お説教兼お話は長くなるのかもしれない、と考えながらキッチンに戻ると野菜が全て切られていて、周防くんて天才だと思った。
炒めて、煮込んで。
スープも作り終わる頃に周防くんは戻ってきた。
「悪い。後輩からで、携帯に出なかったから緋睡の家に電話したらしい。」