空を見上げる皇帝ペンギン。


思えば、私も下着だけ。その事実にコソコソと毛布を巻きつける。半分は周防くんにかけた。


「あぁ、ありがとう。」


どういたしまして、と返して周防くんの鎖骨辺りに、とりゃッとすり寄った。頭を撫でてくれる。


「…周防くん、」

「ん?」

「クモに成りたいって言ってた?」


そう言うと、周防くんが笑ったのが分かった。顔を上げてみる。


「よく覚えてたな。結構無意識のうちに吐いた言葉なんだが。」

「無意識のうちにクモになりたいって凄い。…クモって足が8本ある蜘蛛のことだよね?」



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