空を見上げる皇帝ペンギン。
食べるわけ、無い。
食べて一心同体に成れるという人は確かにいるかもしれないけど。私には出来ない。私の体は養分を吸い取って、きっとあとは吐いてしまう。私には、そんな高性能なものは付いていないから。
それに、どんなに周防くんを食べてもきっと何も満たされない。
「…それで、緋睡の体の中に残って、」
頸動脈から、肩へ、鎖骨へ、胸へ、胃へ、子宮へ周防くんの手は降りていく。
「他の男を寄せ付けなくするよ。」
無意識のうちに涙が零れた。
「…周防くんて嫉妬深いの?」
「蜘蛛だって人間だって、オスは嫉妬深いものなんだ。」