空を見上げる皇帝ペンギン。
軽く柔らかく入ってきた声は、考えることなく相手が浮かぶ。
「ひーちゃん、近江も一緒で良い?」
「いいよ。」
「さんきゅー。」
近江くんは軽くそう言って、椅子と荷物を持ってくる。お財布を持って、桃葉ちゃんと私を見る。
私は桃葉ちゃんに「行ってきて良いよ。」と声をかけると、桃葉ちゃんは元気よく立ち上がった。うん、元気な人は嫌いじゃない。
一人になったテーブルの上に携帯を出す。今頃、周防くんは何をしているんだろう。桃葉ちゃんと近江くんを見てるとちょっとだけ寂しくなる。