空を見上げる皇帝ペンギン。
ありがとう、と心の中でもう一度復唱する。私も電車の外の景色を見た。
周防くんは練習を頑張ってるかな。今も走ってるのかな。
クリスマスには、次こそはあのブランドのネックレスをしてちょっとお洒落して行こう。
「今度、一緒に買い物行ってもらって良いかな?桃葉ちゃんだけ。」
「良いよ良いよ!何買うの?下着?」
…うん、本当に人の少ない車両で良かった。優先席に座っているお年寄りと目が合ってしまって、若干の気まずさを感じているのは私だけだ。
違うよ、と首を横に振りながら言うと、そうなの?とがっかりした様子。