ねぇ、そばにいて。
prologue
空が暗くなるほど賑やかさを増すネオン街
大通りは一層華やかで。
人々も建物も鮮やかに輝くばかり。
私は空に溶けていく白い息を眺めた。
『………〜っ…』
右手で軽く髪をかきあげ、そのまま強く掴む。
頬をつたう涙に自嘲の笑みが零れた。
このまま消えてなくなりたいと願った。
せめて"あの人"の前から消えてしまいたい、と。
『ねぇ、おねーさん』
そんな私を見つけたのは
きっと貴方だけだったね
そして
『俺がそばにいてあげましょうか』
それは間違いなく、
私が言えなかった言葉。