ねぇ、そばにいて。


―――――――――……

――――――――


私が向かったのは
いつか歩いたネオン街。


「………」

そこに並ぶひとつの建物。

上品な雰囲気と、黒を基調とした高級感溢れる店内が特徴的。



私の足は一度も止まることなくその建物に入る。




「──葉月さん いらっしゃいませ」

笑顔で歩み寄ってきた男の子は、この店のホストだ。


「こんばんは、」

何度か見たことのある顔なんだけれど。
名前は…なんだったかしら。


長めの金髪がよく似合う彼は色が白く、もちろん顔立ちも文句なし。まるで王子様だ。




見た目を下品に盛るだけの男が1人だっていないところも、このホストクラブの魅力のひとつだと私は思う。



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