ねぇ、そばにいて。

漣はしばらく、どこか切ない表情で跡を見つめていた。




「そんなに嫌なら消せばいい」

「……え…?」



少しの間静かだった漣は
自分の脱ぎ捨てたシャツを私に羽織らせて、ベッドから降りるとリビングの方に姿を消した。


……と思えばすぐに戻ってきて
またベッドに座る。



「?」


相変わらず寂しそうに、少し無理に微笑んでいるような漣は
シャツで隠した私の胸元に手を伸ばしす。


「…なに?」

「せめてこうしておいてください」


漣の手が離れる。

跡を見つけたその場所には
絆創膏が貼り付けてあった。





「……ありがとう」

漣の意外な行動に驚きつつ、
貼られた絆創膏をなぞる。


「今日は…もう寝ましょうか」

漣は私の横に寝転ぶと目を閉じた。


そんな漣の綺麗な顔を見てから、


「えぇ…そうね」

私も横に身体を沈め、目を閉じた。






――――――――――



――――――……









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