ねぇ、そばにいて。






「…………」







静まり返った私だけの小さな部屋。


無駄に広く感じるベッド。

そこで1人裸で寝ている自分が、
なんとも滑稽で涙もでない。



数時間しか居なかったはずなのに
それでも確かに、

ここには元さんの香りが残っている。




「………っ…」


苦しい。




私は素早く服を着て

一度も振り返ることなく家を出た。



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