鈍感モテgirl



『誰が選ばれるのかな?』


『えー…誰だろ?
新入生代表が決めるんだよね?
暁くん次第じゃん?』



…はっ?


何を決めるの?


新入生代表が…何を??


《えー、続いて…
新入生代表から選んでもらいましょう》


…だ・か・ら、何を決めるのよ!!



《…じゃあ……
A中学校出身の……
岡田菜穂さんで》



……あたし?


A中学校ってあたしの出身校で…岡田菜穂は…あたしだけだったから……



これって……あたし??


《岡田菜穂さーん?
いましたら、壇上に上がって下さーい》


あたしは立ち上がり、壇上に向かった。



「よー、アホづら」


「アホづらじゃない!」


小声ながらも言う。




《岡田菜穂さんです。
盛大な拍手を》


パチパチパチ──………


な、何…これ。


あたしはわけが分からないまま、入学式を終えたのだ。



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