青薔薇姫

近付く距離




あたしの胸がモヤモヤしてても、時が経つのは早いもので…。


あっという間に8月中旬。


この日もいつもと変わりなく倉庫に来ていた。


「瑞華ー、アイス食べるー?」


「うん、もらう。」


こんなやりとりも慣れた。


……ん?あれ?


そういえば夏休みならではのアレってやったっけ……?


「ねぇ尚希、夏休みの宿題やった?」


「宿題ですか?」


「うん。」


そう、アレというのは宿題のこと。


尚希なら、"そんなのとっくに終わらせてますよ"なんて言うと思ってた……のに。


あたしの予想は見事に覆された。




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