私は一生、蛍を見ない

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アンタに出会ったのは春。
高校に入学してすぐの学校行事、新入生同士の親睦を深める目的で行われる二泊三日の宿泊研修。その二日目のクラス対抗レクリエーションの時。
一年生全員が体育館に集まっている中、私は、高校に入学するやいなや早速作った友達グループとくっちゃべっていた。
体育館内では、入学後間もないこともあって、特定の友人がまだおらず、ポツポツと一人でいる者も少なくなかった。
そんな中、いくつかできていたグループのなかでも一際大人数で盛り上がっていたグループから大きな笑いがおこった。
そのグループの中心にいたのがアンタだった。
アンタは陽気にふざけて見せ、まわりを笑わせていた。
アンタを一目見た瞬間、私は直感した。わかってしまった。アンタは私とひどくよく似ていると。
その瞬間、アンタと偶然、目が合った。いや、あれは必然だったのかもしれない。
その瞬間、私とアンタは互いの存在を知ったのだ。