私は一生、蛍を見ない
パァン!
小気味よい音と共に私が放った矢が的に当たる。
「やるね―、美紅。的心じゃん」
私の後ろで弓に矢を番えていた留衣が感心した声をあげる。
ここは弓道場。六月も下旬に入り、梅雨も明け快晴の中、私達弓道部員は今日も今日とて稽古に励んでいた。
「夏休み中は練習試合のオンパレードだからね〜。気合い入れていかにゃあ」
留衣にそう言いながら、私は次の矢を番える。
矢を番え終わり、弓を構えた。
「あいや待たれぇい!」ふざけくさった声と共に私の前に立った人影。
「…何だよ、雷」
「いざ!神妙に勝負いたせぇい!」
「またかよ、オイ!」
こいつは……いつもいつもホントーに!
「何だって毎日毎日飽きもせず勝負挑んでくるかなぁ…」
入部してからというもの、雷(らい)は毎日のように私に勝負を挑んでくる。私は、ため息をつきつつも、これまたいつものように勝負の内容を尋ねる。
「…で、勝負の内容は?」
「うむ!いつも通り四ツ矢で当たりを競う!負けた方が伊藤のばーさんとこに買い出しだ!」
いつも通りの内容だ。因みに、伊藤のばーさんとは、この高校の校門を出てスグ目の前にある、『伊藤商店』という、昔懐かしの駄菓子屋を彷彿とさせる小さな店の店主だ。この高校の生徒は、学校帰りによくこの伊藤のばーさんとこで菓子を買い食いしている。
「よし、受けてたつ」
「ふっ…それでこそ我が宿命のライバル!『好敵手(こうてきしゅ)』と書いて『ライバル』と読む!」
…どーでもいい。てか、それ、某有名漫画読んだだろ。パクんな。高校入学から二ヶ月が過ぎ、日々、改めて思う。コイツは正真正銘のおバカだ。
まぁ、コイツに付き合っている俺も同類か…?
諺にもある。『類は友を呼ぶ』……ってことは………私とコイツは類友(るいとも)だな…泣
小気味よい音と共に私が放った矢が的に当たる。
「やるね―、美紅。的心じゃん」
私の後ろで弓に矢を番えていた留衣が感心した声をあげる。
ここは弓道場。六月も下旬に入り、梅雨も明け快晴の中、私達弓道部員は今日も今日とて稽古に励んでいた。
「夏休み中は練習試合のオンパレードだからね〜。気合い入れていかにゃあ」
留衣にそう言いながら、私は次の矢を番える。
矢を番え終わり、弓を構えた。
「あいや待たれぇい!」ふざけくさった声と共に私の前に立った人影。
「…何だよ、雷」
「いざ!神妙に勝負いたせぇい!」
「またかよ、オイ!」
こいつは……いつもいつもホントーに!
「何だって毎日毎日飽きもせず勝負挑んでくるかなぁ…」
入部してからというもの、雷(らい)は毎日のように私に勝負を挑んでくる。私は、ため息をつきつつも、これまたいつものように勝負の内容を尋ねる。
「…で、勝負の内容は?」
「うむ!いつも通り四ツ矢で当たりを競う!負けた方が伊藤のばーさんとこに買い出しだ!」
いつも通りの内容だ。因みに、伊藤のばーさんとは、この高校の校門を出てスグ目の前にある、『伊藤商店』という、昔懐かしの駄菓子屋を彷彿とさせる小さな店の店主だ。この高校の生徒は、学校帰りによくこの伊藤のばーさんとこで菓子を買い食いしている。
「よし、受けてたつ」
「ふっ…それでこそ我が宿命のライバル!『好敵手(こうてきしゅ)』と書いて『ライバル』と読む!」
…どーでもいい。てか、それ、某有名漫画読んだだろ。パクんな。高校入学から二ヶ月が過ぎ、日々、改めて思う。コイツは正真正銘のおバカだ。
まぁ、コイツに付き合っている俺も同類か…?
諺にもある。『類は友を呼ぶ』……ってことは………私とコイツは類友(るいとも)だな…泣