その冷たい手、温めてあげる。
毛糸も十分にあるし、日にちもクリスマスまで余裕あるし、うん、いい感じ。
ふんふふんと鼻歌交じりに手元を進めていく。
「でもまさか、熊田先輩と付き合うとはね…。未だに実感沸かないわ」
「付き合ってるのはあたしだもん、アキコが沸くわけないでしょ」
「いや、そうじゃなくってさ。あたしはずっと未菜は冬馬くんと付き合うもんだとばかり思ってたから」
「……」
あたしは1度手を止めただけで、すぐに集中を手元に戻す。
「そんなに高体温動物がいいわけ? 高体温なら誰でもいいの?」
「ちょっとアキコ、言葉失礼だよ」