純情☆デビル
20秒間、オレ達以外は誰もいない廊下が沈黙に包まれる。


「……あ…のね」


「ん………」


降参した豊平が口を開いたのをきっかけに、手を離した。


「関波君に近づかないでって…ていうか引っ込んでて言われた………日曜日、関波君と粋羅君と別れた後も……」


「―――何言われた?」


「あの、理由があって詳しくは話せないんだけど………色々と………」


話ながら俯いて行ったせいで、巻かれた髪が豊平の頬にかかった。


久都……やってくれたもんだな。


小さくため息をつく。


「そっか……他には何かあったか?」
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