純情☆デビル
小刻みに震える豊平の腕と声が、オレの心を惑わせる。


勇気を出して、豊平に視線を向けた。


絡み合う、オレと豊平の視線。


「牧之原さんの方が私よりキレイだしお金持ちだし、何より関波君と同じ天使。勝てる確率なんて無いけど、今…………伝えてもいい?」


豊平の真っ直ぐな瞳に囚われ、コスプレ大会に行く事等すっかり忘れる。


黙ってコクリと頷いた。


豊平が前髪を掻き分け、オレを見上げる。


「関波君」


「――――何だ?」


「私は………アナタの事が―――…」


「待ってよ!!」


怒りの叫び声が飛んで来た。
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