純情☆デビル
怯えた豊平を見て、こんがらがった意識が正常に戻った。


そうだ、ボーッとしてる場合じゃねぇ―――


バッと豊平の前に立ち塞がり、青ざめてる豊平を隠す。


「久都……お前豊平に、何か色々言ったみたいだな」


正信や寺辺は視界に入れず、久都だけを見て言い放った。


4人が久都に注目し、豊平も顔だけ出して久都を見る。


久都がギリリと唇を噛んだ。


「だって、私はずっと雫の事が……っ」


「お前の気持ちは嬉しいよ」


伏せ目がちに告げる。


「でも……ごめん。それに応えてやる事は………出来ないんだよ……」
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