いつか会えるね
「おつかれ~。」

美穂と二人、グラスを合わせる。

「で、何で?!」

昨日の顛末を話す。

「なんだそりゃぁ~!」

美穂の顔には怒りが浮かぶ。

「なんだ。その『別れてほしいんだけど…』って!
何様?!」

「そこなの!?」

怒るポイントが分からない。

「そうじゃん!
別に、景子からベタ惚れで付き合ったわけじゃないんだし、『別れよう』でいいじゃん!」

何様?!

と、また美穂が吠えた。

「気が付かなかったよ。そんな事まで…。」

「ってさぁ、景子、あんまり辛くなさそう。
学生の時の、なんて言ったっけ…?」

「あぁ。岡田さん?」

「そう!
あのくらい、落ち込んでると思って来たのに…。」

「なんでか、悲しくなくてさぁ。
ただムカついて、飲んで欲しかったんだぁ。」

そう。落ち着いてみたら、悲しくなくて、ただムカついてた。

「ふぅーん。」

「だってさぁ、モチベーションって何さ?!
そんな理由って、アリ?!」

「意味分からんよね~。」

「自分勝手にも、程があるだろ!」

「自己中過ぎるな…。」

「自分がテストだって言うから、こっちは遠慮してたのに、突然何だっつーの!」

「まじムカつくね…。」

美穂がうんうんとうなづいていた。




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