いつか会えるね
第10章 55kg
「けぇこっ。どーしたの?」

「えっ?」

ハッとして顔を上げると、廣田くんがすぐ隣に来ていた。

「そんなに見つめても、ジャガイモ煮えないよ?」

おかしそうに笑う。

「うー。間違ってないか考えてたんだもんっ。」

「カレーに何間違うの?」

「分かんないでしょっ。肉入ってなかったら、どーすんのっ?」

「えっ…?」

廣田くんが、真顔になって鍋の蓋を開ける。

「入ってるもーん。」

「びっくりさすなぁ~!」

廣田くんが、私の体を包むようにして、髪をグチャグチャにする。

「きゃあっ!」

「このっ!このぉ~!」

「キャー。やめてぇっ!」

そのまま、二人でベッドに倒れこんだ。





< 213 / 280 >

この作品をシェア

pagetop