いつか会えるね
さっぱり考えがまとまらなくて、すっかりのぼせてしまった。


ゆっくり、髪を乾かした。


考える事は、堂々巡りで、進まない。


考える事自体がおかしいのかもしれない。



あれから正輝くんからの連絡はないし。



一回したいだけだったのかも…。



鏡の中の自分を見つめる。



目の下のクマが、妙に濃く感じた。



顔を隠す様に、帽子を目深にかぶる。



あぁ。明日は夜勤だから、ゆっくり寝よう。




重い足を必死に動かして、早足でエントランスを抜けた。



外に出ると、冬の風が冷たかった。




「篠原さん!」




私…?




おそるおそる、声の方を振り向いた。





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