いつか会えるね
「田中さん…?」

私服姿だから、一瞬分からなかった…。

「おつかれさまです!珍しいですね。こんな遅い時間に。」

「あぁ。何か、お風呂でぼーっとしちゃって…。」

「体調悪いんですか?ダメですよ。体調悪い時は休まなきゃ。」

「あ…。はい。」

めんどくさいから、そういう事にしておこう。

「オレ、車だから、送って行きますよ~。」

「えっ。大丈夫ですっ。」

別に体調悪いわけじゃないし。

「実は、家、通り道なんです。」

ふふ、と笑った。

「えっ?どこなんですか?」

「中山ですよー。」

「えっ!?同じ団地じゃないですか。」

「はい。だから、ついでです。」

ニコニコしている。

なんだか、フッと気がゆるんだ。


バスに乗るのは、ほんとは面倒くさいから。


甘えてしまおう。



「じゃあ、お願いします。」


「はいはーい。」





二人で駐車場へと歩いた。





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