いつか会えるね
坂のすぐ上で降ろしてもらおうと思ったが、危ないから、と言って、結局、家の前まで送ってもらってしまった。

「ありがとうございました。」

車を降りた。

「おつかれさま。」

田中さんは、まだ笑ったまま、手を振った。



車の後ろ姿を見送りながら、夜の冷たい空気を吸い込む。


心が軽くなっていた。




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