いつか会えるね
「……………。」

「どーかしましたか?」

「…………やっぱりいいや。」

なにがやっぱりなの?!

「田中さん…?」

田中さんの腕に手置いた。

ビクッと反応が伝わってきた。

慌てて手を離す。

「………ごめん。」

田中さんが車のドアを開けた。

何か悪い事した?

「送ってくれて、ありがとう。」

車のドアが閉まった。

わかんないけど、いっかぁ…?

窓を開けて、田中さんに頭を下げた。

「それじゃ失礼します。」

ギアをドライブに入れる。

アクセルに足をかけた。

「あのっ。篠原さん…。」

もう一度ブレーキを踏む。

「オレ…、あなたの事が好き…みたいです。」


へ…?


「すみません…。
ああっ。ほんと、すみません。」

慌てて、髪をクシャクシャにする。

「行って下さい。
すみませんでした。」

「えっ。あの…。はい。」

「気をつけて帰って下さい。」

「はい…。」

どうしていいか分からず、とりあえず、アクセルを踏み込んだ。





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