いつか会えるね
☆☆☆

「かんぱーい」

少しロレツがまわらなくなってきた。

三次会。

参加者
美穂

…以上!

「あらためて、本当に良かったねぇ!二人とも合格できて」

「ほんと、おめでとー!」

二人でグラスを合わせた。

「みんなでするお祝いもいいけど、疲れちゃうね~」

「だよね~」

お気に入りのお店。
お気に入りのお酒。
気の許せる友達。

私に心地よい空間が、ここにある。

「そういえば、美穂、山田くん地元に帰るんでしょ?」

山田くんは美穂の彼氏。同じ大学の放射線科に通っていた。

「地元って言っても、古川だからねぇ」

「まぁ近いか」

古川は仙台から車で1時間かからない。

「まぁ、半同棲状態だったから、さみしーけど」

「いいじゃん。彼氏いるんだし。私は病院でいい出会いがあるといいんだけどなぁ」

「ケーコ、なぜか長続きしないもんね」

「だねぇ。なんでかねぇ」

「ケーコは追いかけすぎでしょ」

ぐさっ…

「だって…」

「まぁまぁ。新しい出会いを探そうねっ。合コン誘うから」

「みほ~。」

うるうるしてしまう。

「よろしくね」

熱く、美穂の手を握りしめた。


< 8 / 280 >

この作品をシェア

pagetop