キミのために
秋のやさしい風が屋上に来たあたしたちを迎えてくれた
「山下、この前のって彼氏だよな?」
「ぅん、一応ね。隼人君初めて見たんだっけ?」
「おう。あんな奴と付き合ってんのかー…」
「あはは」
ほんと…あの時初めて会ったら亜貴のこと【あんな奴】って思うよね
「あははぢゃねーよ!!俺だって、山下のこと…本気で好きなのに」
「え!!??」
不意に出てきた隼人君の言葉に驚いた
「でもアイツから山下を奪おうとか思わないし、
むしろアイツのことを真剣に思ってる山下が好きだから、
俺が言うのもなんだけど、別れないでほしい」
真剣に話す隼人君
あたしは話が理解できなかった
「えっと、隼人君は亜貴のことを好きなあたしのことが好きってこと?」
「まぁそーゆぅこと。でもなんでアイツのことを信じないわけ?」
「あたしは信じてたよ!!…でもあんなところ見たらー…」
あたしはいつのまにか泣いていた
「なら、なんで一緒に居た女の方を疑わないんだ?」
「女の子を疑う?」
「そぅ。もしかしたら一方的なのかもょ?」
そっか…