キミのために
喫茶店に入ってあたし達は奥の席に座った

しばらくして亜貴がしゃべり始めた


「あの日、カラオケで俺といたのは実は-…」

あたしは聞きたくなかった

できれば言わないでほしかった

亜貴の口からの言葉を聞きたくなくてぎゅっと瞳を閉じた

瞳を閉じたら…なんでだろお?

涙が頬を伝った

あたしの涙に亜貴は気づいたみたいだった

「双葉?ちゃんと聞いて?大丈夫だから…」

亜貴の大丈夫の意味がわからなかった

何が大丈夫なんだろ?

コクン

だけどあたしはうなずいた

だってちゃんと話聞く!!って優奈ちゃんと約束したから…


「俺と一緒に居たのは--」






亜貴はなかなかその次を言おうとしなかった

言いにくいのかな?



あたしの瞳にはまだ涙が乾かないまま






今の時間がとても息苦しくて、嫌だった


亜貴?あたし亜貴とバイバイするの

嫌だけどちゃんと亜貴から話聞きたいょ?



ねぇ?早く教えて---…

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