願い事




『ねえ、松本莉子。』


学年一ヤンキー女子、

磯崎唯花が、私に話かけてきた。


『何』


『何ってないっしょ。あんたあたしの好きな人分かってんでしょ?』


意味が分からなかった。
私が磯崎の好きな人なんか知る余地もないし、知ってて何なの。


『知らないけど、何』


『だから何ぢゃないっしょ?あんた昨日、裕太と廊下でキスしてたぢゃん』

『それ…』

『何してくれちゃってんの?あたしの好きな人、裕太なんだけど。シバかれたい?』


知らないよ…

何であたしが…。


あたし、高橋裕太の事好きでもないし…



< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop