わかってた。
次に話したのは7月上旬。
ちょうど期末の終わった頃だった。
「ゆうちゃん合計点いくつだったー?」
そう言いながら今返ってきた数学のテストを覗き込むマリ。
コイツは男好きでよく何かと俺に絡んでくる。
いや、正確には男に、だな。
「まだ計算してねぇ。お前はどうだったんだよ?」
数学のテストを見られまいと裏返しにした。
「372てーん♪」
ピースしながら笑顔で答えるマリ。
…300点越えなんか俺にとっては羨ましい限りだ。
「はぁー…多分俺は200点止まり。」
「もしかして数学、赤点なんでしょー?」
「…そこまで俺は馬鹿じゃねーよ。」
中1の一学期で赤点取ったら、この先どうなんだよ!
もしそんなんだったら、高校さえ行けない気がする…。
「でわ席に着いてください。えーっと答え合わせするので。」
常に挙動不審の数学担当の先生が言った。
その言葉でぞろぞろとみんなが席に着いていく。
もちろんマリも自分の席へと戻っていった。
「はぁ。」
もうすぐ夏休みだなぁー…。