わかってた。


次に話したのは7月上旬。

ちょうど期末の終わった頃だった。


「ゆうちゃん合計点いくつだったー?」

そう言いながら今返ってきた数学のテストを覗き込むマリ。

コイツは男好きでよく何かと俺に絡んでくる。
いや、正確には男に、だな。

「まだ計算してねぇ。お前はどうだったんだよ?」

数学のテストを見られまいと裏返しにした。

「372てーん♪」

ピースしながら笑顔で答えるマリ。
…300点越えなんか俺にとっては羨ましい限りだ。

「はぁー…多分俺は200点止まり。」

「もしかして数学、赤点なんでしょー?」

「…そこまで俺は馬鹿じゃねーよ。」

中1の一学期で赤点取ったら、この先どうなんだよ!

もしそんなんだったら、高校さえ行けない気がする…。

「でわ席に着いてください。えーっと答え合わせするので。」

常に挙動不審の数学担当の先生が言った。

その言葉でぞろぞろとみんなが席に着いていく。

もちろんマリも自分の席へと戻っていった。



「はぁ。」

もうすぐ夏休みだなぁー…。


< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop