赤ずきんと2人の狼


「お前絞首刑!」


木陰で黒狼は白狼の首を掴みました。


「いててて!何だよ、ちゅうぐらいいいだろ」


「だめ!あと、俺はお前みたいに変態じゃねえ!」


黒狼の手から逃れた白狼は、眉をひそめて黒狼に聞きました。


「…えっ、じゃ、じゃあお前は赤ずきんとキスしたくねえのか…?」


まるで、ありえないとでも言うような口調です。


「………してぇよ…」


一方の黒狼は手の甲で口元を押さえて、躊躇いながらも小さくつぶやきました。


「いやぁ、黒狼くんは可愛いなぁ」


「うるっせ!」


なんだかんだで2人は仲良しのようです。


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