赤ずきんと2人の狼
「やいやい狼!お前の悪事もここまでだ!」
黒狼は腰に手をあてて、狼を見下ろしました。
「赤ずきんを食べるのは、お前じゃなくて俺だから」
語尾にハートマークをつけて、白狼も狼を見下ろしました。
「なっ、た、食べるって、この不純!」
「なに赤くなってんの黒狼。ヤラシイ子」
「ちょ、お前もう黙れっ!」
「だって事実」
「お前みたいなのに赤ずきん渡せるか!」
「渡されなくても奪う」
「あー!もうっ!」
2人は狼とおばあちゃんのことをすっかり忘れて、赤ずきんの話に夢中です。