伊吹くんと私の日常





―――…





昼休み。





「もう諦めろって。」



「何でよー。だって付き合ってるんだよ!?」



「アイツは頑張っても言わねぇと思うけどなぁ。」




私が伊吹くんに"好きと言って欲しい"とお願いした後の


伊吹くんの反応を私から聞いて私の目の前で頭をポリポリと人差し指で掻く後藤くん。



今日の後藤くんの耳にはリアルなドクロのピアスと

黒と赤色の丸い形の小さいピアスが付いてる。



はたから見ると、とても柄が悪い。

近寄りたくない奴、No.1だと思う。



でも、そんな近寄りたくない奴No.1の後藤くんと私が喋っているのは、理由がある。



それは、付き合ってから二ヶ月。



伊吹くんは一度も私に"好き"と言ってくれてない。という事。

それを後藤くんに相談しているから。



何で言ってくれないの?



そう何度も悩んだ。

でも、結果辿り着いたのは




「伊吹くん、めちゃくちゃ鈍いんだよね。」




やっぱり、伊吹くんの性格の問題だった。





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