伊吹くんと私の日常
「まぁ、お前は頑張れ。」
「ちょっと!」
後藤くんは私の腕をほどき、私が食べようとしていたチュッパチャップスを
私の手から奪い取ってパクンッとそのまま、口の中に入れた。
「私のキャンディー!」
すぐに後藤くんの口から出ているチュッパチャップスの棒を引っ張る。
「ちょっ、お前…引っ張るな!俺の歯が変な方向に引っ張られて痛ぇって言ってんだろ!」
「そりゃ凄い!後藤くん、ついに自分の歯とも会話できるようになったんだね!」
「感心するな。」
後藤くんが涙目になって私に抗議をしていると
「「あ。」」
チュッパチャップスの棒だけがスポンッと取れた――…。