伊吹くんと私の日常
「何…。」
伊吹くんが顔を顰めながら私を見る。
「だって、耳栓って!カッコぃぃんだもん!」
「毎回思うけど、お前は趣味わりぃんだよ。」
ピョンピョンと跳ねながら私は伊吹くんから引っこ抜いた耳栓を触っていると
後ろからその耳栓をヒョイ、と取られてしまった。
慌てて後ろを見ると、金髪で耳にピアスがいっぱい付いた後藤くんが居て。
「ちょっ、後藤くん!返してよ!私の耳栓!」
「俺の耳栓だから。」
後藤くんの方に振り返って耳栓を取り返そうとするけど
冷ややかな伊吹くんのツッコミが入ってきて、
「ぶはっ!そうだった!ごめんね、伊吹くん!」
「うわっ!唾が目に入った!眼球!眼球がぁあああぁあ!」
私の唾が目に命中したらしい後藤くんの手から素早く耳栓を取り返して、伊吹くんに返した。