新撰組のヒミツ 壱
「俺のことは平助って呼んでくれ。総司みたいに、さん付けは止めろよ。俺は光って呼ぶからな!」
目の前の男の子が、八番隊組長。
にわかには信じがたい事実だった。
だが、沖田と気安く話している事から、それが嘘ではないと分かる。
光が考えに沈み込んでいると、「そうそう」と言って、沖田はパチンと手を打ち鳴らした。
「井岡さん、今は暇ですか?」
「ええ、特に用事はありませんが――」
「良かった。じゃあ行きましょう!」
にっこりと微笑んだ沖田は、光の手をぐいっと掴むと、山南に頭を下げてその場から離れてしまう。後ろを見ると、藤堂が付いてきていた。
「あの、どこに行かれるんです?」
「街です。京の街の散策ですよ! 井岡さんは巡察でしか外に出ていないでしょう?」
目の前の男の子が、八番隊組長。
にわかには信じがたい事実だった。
だが、沖田と気安く話している事から、それが嘘ではないと分かる。
光が考えに沈み込んでいると、「そうそう」と言って、沖田はパチンと手を打ち鳴らした。
「井岡さん、今は暇ですか?」
「ええ、特に用事はありませんが――」
「良かった。じゃあ行きましょう!」
にっこりと微笑んだ沖田は、光の手をぐいっと掴むと、山南に頭を下げてその場から離れてしまう。後ろを見ると、藤堂が付いてきていた。
「あの、どこに行かれるんです?」
「街です。京の街の散策ですよ! 井岡さんは巡察でしか外に出ていないでしょう?」