新撰組のヒミツ 壱
「分かりました――。
行きますので、手を離して下さい」


以前のように、沖田の手の掴み方は、関節が決められているのではないか、と思う程、身動きが取れなくなる。


ただ、力が強いだけかもしれないが。


「はは、すみません」


全然反省をしていないように笑っている沖田が手をパッと離すと、藤堂が隣にきた。それからは光を中心とした横一列になって歩く。


藤堂は、興味津々に光へと話し掛けた。


「気になってたんだけど、光って何歳なんだ? 俺達より年上か?」


「私は19ですよ……平助は?」







「俺も19だよ! 総司と一も同い年なんだぜ!」







(……見えない)
光は知ってしまった衝撃的事実に、思わず口元が引きつってしまった。


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