新撰組のヒミツ 壱
藤堂には悪いが、彼の幼くあどけない容姿から15、6歳位だと予測していたのだ。


その上、沖田はまだしも、物腰が落ち着いた斎藤はもう少し年上だと思っていたのだが――。


藤堂が質問し、光が答え、沖田が笑う。


そうして話が盛り上がる中、三人はいつの間にか活気ある京の中心部へとやってきていた。


(――何故か視線が集まっているな……)


光は視線を敏感に察知する。後の2人も話をしているが、気付いているようだ。


ほとんどの視線の主は年頃の女子で、主に光に視線を送っていた。


沖田と藤堂が端正な顔立ちでないわけではなかったが、光の容姿はそれ程のものであった。


――なぜここまで見られているのか、本人は気付いていないのだが。
< 114 / 341 >

この作品をシェア

pagetop