新撰組のヒミツ 壱
「井岡さん、さっきの女子は誰ですか?」
大通りを歩いていると、沖田が唐突に尋ねてきた。それを聞いた光は、思わず膝から全身の力が抜けてしまうような気持ちになる。
「……覚えてないのですか? 私が沖田さんと初めて会った日に、浪士から助けた女子ですよ……」
「そう言えば……居たような気がします」
いまいち記憶が確かではないのか、沖田は眉間に深い縦皺を寄せて「うーん……」と唸っている。
(この人、頭が悪いのか……?)と、呆れたように光が見ていると、それまで黙って聞いていた藤堂が苦笑いを浮かべて言った。
「総司は女の顔を覚えるのが苦手なんだよ。女には興味が無いらしくて……」
それを聞いた光が、わざとらしく沖田から離れると目を見開いて言う。
「……ま……まさか、沖田さん、男色じゃ――」
「違いますからっ!!」
大通りを歩いていると、沖田が唐突に尋ねてきた。それを聞いた光は、思わず膝から全身の力が抜けてしまうような気持ちになる。
「……覚えてないのですか? 私が沖田さんと初めて会った日に、浪士から助けた女子ですよ……」
「そう言えば……居たような気がします」
いまいち記憶が確かではないのか、沖田は眉間に深い縦皺を寄せて「うーん……」と唸っている。
(この人、頭が悪いのか……?)と、呆れたように光が見ていると、それまで黙って聞いていた藤堂が苦笑いを浮かべて言った。
「総司は女の顔を覚えるのが苦手なんだよ。女には興味が無いらしくて……」
それを聞いた光が、わざとらしく沖田から離れると目を見開いて言う。
「……ま……まさか、沖田さん、男色じゃ――」
「違いますからっ!!」