新撰組のヒミツ 壱
原田と永倉の仲の良さを思い出し、クスリと思い出し笑いをした光。二人は性格は違うだろうが、息の合いようが安易に想像出来た。


「永倉さんって強そうだな……」


「まあ……沖田さんより強いかもわからんな。意外に策士やし、力は強いし」


人をあまり誉めることがない山崎に、ここまで言わしめる永倉は、やはり想像通りに強いようだ。そのため、納得はすれど、驚きはほとんどなかった。


「へえ」


「沖田さんは天才や。永倉さんは経験豊富で努力家。稽古は沖田さん、実戦やったら永倉さんが勝つやろな……」


ぼんやりとした表情で、山崎は呟く。


市井の噂では、壬生浪士組の剣客で一番強いのは、沖田だということを耳にしていたのだが、本当は永倉なのかもしれない。


山崎曰わく、味方で斬り合う事はないため、一番隊組長である沖田が文字通り一番であると見なされているらしい。


実戦では山崎が一番だろうが、剣道では山崎は劣る。それに、流派の壁が無い乱走刀華二刀流は、侍には無節操だと感じさせてしまうだろう。


「ま、そないなことええやろ。芹沢局長たちのせいで疲れたわ……」


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