新撰組のヒミツ 壱



        ――4――



疲れていた山崎は数日間の休養を取り、全快したときに、光は早速、手合わせをお願いすることにした。


土方からの許可は降りているようで、幹部以外は道場に立ち入らないよう命令を下した。


文武両道で優秀な山崎は、壬生浪士組の懐刀である。間者を警戒して、平隊士は一歩たりとも道場に立ち入れないようにしたのだったが……、


「……何でこんなにいるんです?」


道場には山崎、光――だけではない。


「もちろん、井岡さんと闘う為です!」


「なあなあ、槍でやらねえか!?」


「光が槍持ってる訳ないでしょ、左之」


「……お前の実力を見に来た」


目を爛々と輝かせる沖田。豪快に笑う原田と釣られて笑う藤堂。真っ直ぐに言う斎藤。平隊士はいないが、沢山の幹部がいた。


総勢、六名。


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