新撰組のヒミツ 壱
「副長。光はこれが初めての任務です。きっと緊張しているのだと思います」
言いよどんだ光をさり気なく庇ったのは、それまでのやりとりを静かに聞いていた山崎だった。
それを聞いた土方は、そうだったな……、と納得したように頷いて比較的表情を優しいものに変えた。
「――頼む」
「はい」と、そろって返事を返す。
話は終わったようであったので、光は山崎と共に部屋をそっと後にしようとしたが、土方が呼び止めた。
「井岡、芹沢さんがお前を気に入って、今度酒でも呑みたいと言っててな……。お前、どんな関係だ?」
「芹沢局長が?……少しやり合いはしましたが」
初めてあったあの日。嫌われる事こそすれ、特に気に入られるような事はしていないはずである。
困ったように笑い頭をひねっていた光だが、もはや聞き慣れた、呆れているようなため息が部屋に響き渡った。
「お前はほんまに……心臓に悪いわ……」
言いよどんだ光をさり気なく庇ったのは、それまでのやりとりを静かに聞いていた山崎だった。
それを聞いた土方は、そうだったな……、と納得したように頷いて比較的表情を優しいものに変えた。
「――頼む」
「はい」と、そろって返事を返す。
話は終わったようであったので、光は山崎と共に部屋をそっと後にしようとしたが、土方が呼び止めた。
「井岡、芹沢さんがお前を気に入って、今度酒でも呑みたいと言っててな……。お前、どんな関係だ?」
「芹沢局長が?……少しやり合いはしましたが」
初めてあったあの日。嫌われる事こそすれ、特に気に入られるような事はしていないはずである。
困ったように笑い頭をひねっていた光だが、もはや聞き慣れた、呆れているようなため息が部屋に響き渡った。
「お前はほんまに……心臓に悪いわ……」