新撰組のヒミツ 壱
「……青色の妖刀を知っているか」
ピクリ、と店主の表情が硬直する。
少しだけ目を見開き、瞳は一瞬だけ揺れ動いていた。よく観察しなければ、気付くことは叶わなかっただろう。
だが山崎たちは仮にも監察方。光と山崎がその変化に気付かないはずもない。
「…………知ってますよ。刀鍛冶の間では有名な話ですからねェ。……妖刀“蒼霞”は神出鬼没だ、と」
「“蒼霞”……?」
光は一体何を言っているのか。耳慣れない言葉に眉をひそめ、山崎は説明を求めるように店主を見た。
「“蒼霞”は……刀身と鞘が青くて……綺麗と言や綺麗なんだがねェ……。特に曰く付きの妖刀なんですよ」
「――特に……曰く付きの妖刀?」
反復する光の声とその眼差しには、徐々に鋭いものが混ざる。見据えられた店主は、光の威圧感に少しだけ気圧されながらも話を続けた。
「……へェ。でもねお客さん。何を知りたいのかは知らねえが……あいつにはあまり関わらない方がいいですよ。
強き者を魅了して惹きつけるんだ……命がいくつあってもたりない」
ピクリ、と店主の表情が硬直する。
少しだけ目を見開き、瞳は一瞬だけ揺れ動いていた。よく観察しなければ、気付くことは叶わなかっただろう。
だが山崎たちは仮にも監察方。光と山崎がその変化に気付かないはずもない。
「…………知ってますよ。刀鍛冶の間では有名な話ですからねェ。……妖刀“蒼霞”は神出鬼没だ、と」
「“蒼霞”……?」
光は一体何を言っているのか。耳慣れない言葉に眉をひそめ、山崎は説明を求めるように店主を見た。
「“蒼霞”は……刀身と鞘が青くて……綺麗と言や綺麗なんだがねェ……。特に曰く付きの妖刀なんですよ」
「――特に……曰く付きの妖刀?」
反復する光の声とその眼差しには、徐々に鋭いものが混ざる。見据えられた店主は、光の威圧感に少しだけ気圧されながらも話を続けた。
「……へェ。でもねお客さん。何を知りたいのかは知らねえが……あいつにはあまり関わらない方がいいですよ。
強き者を魅了して惹きつけるんだ……命がいくつあってもたりない」