新撰組のヒミツ 壱
「ふ、副長……これは、……」
珍しいことに、面白いほど狼狽する山崎を見た土方は、眠っていた加虐心がふつふつと沸き上がり、笑いながら二人をまじまじと見つめていた。
「とやかく言うつもりはねえよ。そこらへんは勝手にやってくれ。盛るんなら隊務に影響がでない程度で……な」
「副長!」
いつもよりも高い声音で叫ぶ山崎は、視線をあちこちに彷徨わせ、言葉にならない声を漏らす。
その様子は、いつもの山崎からは考えられないほどである。
思わぬ上司の登場に動揺する山崎をよそに、そこで首を傾げてポツリと呟きを漏らしたのが光だった。
「え? 今の「ちゃうわアホ!」
山崎は顔を真っ赤にして叫ぶ。そしてそんな山崎をからかうのが土方だ。光は土方の発言に眉を寄せ、それが山崎の羞恥心を煽ることを知らずに彼に尋ねる。
ここに負の連鎖が出来上がっていた。
「……副長はどうなさったのですか」
羞恥をかなぐり捨て、真面目な表情を作る山崎だが、その頬には未だ赤みが差している。しかし、土方はもうそのことには言及しなかった。
「ああ……山崎、井岡はどうなんだ」
「言ってあります」
珍しいことに、面白いほど狼狽する山崎を見た土方は、眠っていた加虐心がふつふつと沸き上がり、笑いながら二人をまじまじと見つめていた。
「とやかく言うつもりはねえよ。そこらへんは勝手にやってくれ。盛るんなら隊務に影響がでない程度で……な」
「副長!」
いつもよりも高い声音で叫ぶ山崎は、視線をあちこちに彷徨わせ、言葉にならない声を漏らす。
その様子は、いつもの山崎からは考えられないほどである。
思わぬ上司の登場に動揺する山崎をよそに、そこで首を傾げてポツリと呟きを漏らしたのが光だった。
「え? 今の「ちゃうわアホ!」
山崎は顔を真っ赤にして叫ぶ。そしてそんな山崎をからかうのが土方だ。光は土方の発言に眉を寄せ、それが山崎の羞恥心を煽ることを知らずに彼に尋ねる。
ここに負の連鎖が出来上がっていた。
「……副長はどうなさったのですか」
羞恥をかなぐり捨て、真面目な表情を作る山崎だが、その頬には未だ赤みが差している。しかし、土方はもうそのことには言及しなかった。
「ああ……山崎、井岡はどうなんだ」
「言ってあります」