新撰組のヒミツ 壱
「これからも一緒に頑張っていこう!」


近藤の声に、大勢の隊士が即座に「おお!」と叫び返す。もちろん、光も叫び返し、吉村に注意されるまで、明日の任務を忘れていた。


興奮が収まった山崎から密かに耳打ちされたことによると、光が楠を、斎藤と原田が御倉と荒木田を片付ける手筈になったそうだ。


忠実の歴史では、原田が楠を手に掛けるようだったが、それが光へと変わる。だが、どうせ死ぬのだから、誰が手に掛けても変わらない、と気に留めなかった。


(……明日は汚れてもいい服を着ないと)


最早、本物の隊士へとなった光は、敬服する新撰組副長から下された命を遂行することだけに集中していく。


最早、血で汚れても構うものか。それが己が定めなら、全ての力を以てして戦うのみ。


仲間を護るために。
名誉ある武士として名を上げるために。












夜が明け、やがて全てが明らかになる。















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