新撰組のヒミツ 壱
「……ッ――離せ……!」
息が詰まるほど強く抱き締められ、その上、触れられるのが嫌いな光は、身体をばたつかせて回された腕を振り切ろうとする。
だが、光と山崎には頭一つ分程の身長差がある。そのため、抵抗しても背中と後頭部に回された腕がそれを許さない。
認めたくはないが、男女の腕力の差だ。
剣聖とも言うべき沖田には、速さが上回った為、入隊試験に勝利出来た。だが山崎には、力も速度も勝てる要素がない。
「ッ!」
「光……」
今にも消え入りそうな、僅かに震える力無い声で山崎は小さく囁いた。
今の山崎を、近藤や土方が見たらきっと驚いただろう。普段は冷静な山崎が、こんなにも感情を露わにしているのだから……。
「――――――――――」
小さく光に囁いた山崎は、抱きしめる力を更に強め、光を引き寄せた。その時、光を捕らえる腕が震えているのに気付く。
その山崎の呟きを聞いた光は、全身から抵抗の力をゆっくりと抜き、ただ、されるがままになっていた。
息が詰まるほど強く抱き締められ、その上、触れられるのが嫌いな光は、身体をばたつかせて回された腕を振り切ろうとする。
だが、光と山崎には頭一つ分程の身長差がある。そのため、抵抗しても背中と後頭部に回された腕がそれを許さない。
認めたくはないが、男女の腕力の差だ。
剣聖とも言うべき沖田には、速さが上回った為、入隊試験に勝利出来た。だが山崎には、力も速度も勝てる要素がない。
「ッ!」
「光……」
今にも消え入りそうな、僅かに震える力無い声で山崎は小さく囁いた。
今の山崎を、近藤や土方が見たらきっと驚いただろう。普段は冷静な山崎が、こんなにも感情を露わにしているのだから……。
「――――――――――」
小さく光に囁いた山崎は、抱きしめる力を更に強め、光を引き寄せた。その時、光を捕らえる腕が震えているのに気付く。
その山崎の呟きを聞いた光は、全身から抵抗の力をゆっくりと抜き、ただ、されるがままになっていた。