新撰組のヒミツ 壱
その土方の隣には、土方よりも少し背の高い髪を一つに束ねた男が立っている。
「早速だが、三番隊の巡察に同行してもらいたい。お前の巡察は、屋根から広い範囲に異変がないかを調べる仕事だ……頼めるか?」
「承知」
即座に是と答えた光を見た土方は、少しだけ申し訳ないという様な表情をするが、直ぐに表情を消した。
「初日からすまねえな……。斎藤、井岡に詳しい説明をしてやってくれ」
「はい」
副長という仕事は忙しいのか、それだけを言うと、斎藤と呼ばれた男が頷くのを確認し、すぐに去っていってしまった。
残された二人は、自然とお互いに向き合う形になる。そして、斎藤は切れ長の目で光を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。
「三番隊組長、斎藤一(はじめ)だ」
「よろしくお願いします、斎藤さん」
深々と頭を下げた光を見て、斎藤は困惑したような顔をして眉を寄せた。
「……できれば敬語は使わないで欲しい。監察方は組長と同じ地位なのだから……気軽に一と呼んでくれ」
「――では、一さんとお呼びします」
「早速だが、三番隊の巡察に同行してもらいたい。お前の巡察は、屋根から広い範囲に異変がないかを調べる仕事だ……頼めるか?」
「承知」
即座に是と答えた光を見た土方は、少しだけ申し訳ないという様な表情をするが、直ぐに表情を消した。
「初日からすまねえな……。斎藤、井岡に詳しい説明をしてやってくれ」
「はい」
副長という仕事は忙しいのか、それだけを言うと、斎藤と呼ばれた男が頷くのを確認し、すぐに去っていってしまった。
残された二人は、自然とお互いに向き合う形になる。そして、斎藤は切れ長の目で光を真っ直ぐに見つめ、口を開いた。
「三番隊組長、斎藤一(はじめ)だ」
「よろしくお願いします、斎藤さん」
深々と頭を下げた光を見て、斎藤は困惑したような顔をして眉を寄せた。
「……できれば敬語は使わないで欲しい。監察方は組長と同じ地位なのだから……気軽に一と呼んでくれ」
「――では、一さんとお呼びします」