新撰組のヒミツ 壱
広間から出ると、斎藤に背を向けて歩き出した光だが、山崎の部屋がどこにあるのかが分からず、困り果ててしまう。
広間の前辺りを右往左往していると、突然、目の前に音も無く黒い影がスッと現れた。
「光、こっちや」
「…………烝?」
無言で頷いた山崎は何も言わずに、まるで付いて来いというように、背中を向けて歩き出した。
余りに早い山崎の動きに呆然としていた光は、ハッと我に返ると、慌てて彼の背中を追い掛ける。
「……副長から話は通っとる。巡察やから服貸したれって言われたわ」
「今から部屋に行くの?」
「せや。俺とお前は相部屋やから、ちゃんと場所、覚えや?」
ちょうどいい時に山崎がいて助かった。
気を抜けば、あっという間においていかれそうになる山崎の背中を必死に追いながら、光はホッと安堵のため息を吐く。
その後はただ付いていくと、案外すぐに部屋へたどり着くことができた。
広間の前辺りを右往左往していると、突然、目の前に音も無く黒い影がスッと現れた。
「光、こっちや」
「…………烝?」
無言で頷いた山崎は何も言わずに、まるで付いて来いというように、背中を向けて歩き出した。
余りに早い山崎の動きに呆然としていた光は、ハッと我に返ると、慌てて彼の背中を追い掛ける。
「……副長から話は通っとる。巡察やから服貸したれって言われたわ」
「今から部屋に行くの?」
「せや。俺とお前は相部屋やから、ちゃんと場所、覚えや?」
ちょうどいい時に山崎がいて助かった。
気を抜けば、あっという間においていかれそうになる山崎の背中を必死に追いながら、光はホッと安堵のため息を吐く。
その後はただ付いていくと、案外すぐに部屋へたどり着くことができた。