新撰組のヒミツ 壱
「…………」
掴み所が無い男だ。
一見、単純で純粋な男かと思えば、時に恐ろしいほどの鋭い感覚を有している。
――天才剣士、沖田総司のように。
「身体の血を拭いておけ。
俺は組長だから、あいつらを追う。お前は屯所に戻っていい」
「……ですが」
「構うな……早く帰れ」
そう言い残して、斎藤は踵を返す。
突き放す様な斎藤の言葉に、自然と視線が下を向いてしまう光。
(もしや……一さんは私を気遣って……?)
ふと、そう気付いて斎藤を探した時には、すでに彼は光の前から姿を消していた。
掴み所が無い男だ。
一見、単純で純粋な男かと思えば、時に恐ろしいほどの鋭い感覚を有している。
――天才剣士、沖田総司のように。
「身体の血を拭いておけ。
俺は組長だから、あいつらを追う。お前は屯所に戻っていい」
「……ですが」
「構うな……早く帰れ」
そう言い残して、斎藤は踵を返す。
突き放す様な斎藤の言葉に、自然と視線が下を向いてしまう光。
(もしや……一さんは私を気遣って……?)
ふと、そう気付いて斎藤を探した時には、すでに彼は光の前から姿を消していた。