魔界動乱期
アバル兵はしばらく動きを止める。
槍を投げて攻撃する手もあるが、かわされた場合、武器を与えてしまだけ。
幻影を解いて葉を無くせば、自分の姿を露にしてしまう。
(隠れていてもヤツの居場所はわかっている。あの円の中心だ。ならばギリギリまで近づいて、瞬速の一撃を見舞う)
アバル兵が葉の舞う円のギリギリまで近付く。そして殺気を抑えて静かに槍を構えた。
槍を突く前にアバル兵はフェイントとして石ころを放り投げた。
石ころが葉の円の上から落ち、ガサッと円に届いたと同時に、アバル兵の槍が伸びる。
そして槍が、円を描く葉に触れた瞬間。
ズボオッ!
「うっ!」
槍が‘真空’に飲み込まれてゆく。
そしてその真空はアバル兵の右手にも食らいつく。
「ぐあっ、まずい!!」
咄嗟に槍を離すアバル兵。
同時に幻影が解け、ジードの回りを旋回していた葉も消える。
「ぐ……貴様、何をした……」
右肩を押さえ膝をつくアバル兵。
そのときアバル兵の右肩から下は、何も残されていなかった。
「あれがジードの新しい力か……」
遠めで見ていたニコも思わず息をの飲む。
しかしジードもまた、息を切らして膝をついていた。
「ちっ、勘のいいヤツだぜ。くっ、頭がれるように痛え。だけど、逃がすわけにはいかねえぜ……」
槍を投げて攻撃する手もあるが、かわされた場合、武器を与えてしまだけ。
幻影を解いて葉を無くせば、自分の姿を露にしてしまう。
(隠れていてもヤツの居場所はわかっている。あの円の中心だ。ならばギリギリまで近づいて、瞬速の一撃を見舞う)
アバル兵が葉の舞う円のギリギリまで近付く。そして殺気を抑えて静かに槍を構えた。
槍を突く前にアバル兵はフェイントとして石ころを放り投げた。
石ころが葉の円の上から落ち、ガサッと円に届いたと同時に、アバル兵の槍が伸びる。
そして槍が、円を描く葉に触れた瞬間。
ズボオッ!
「うっ!」
槍が‘真空’に飲み込まれてゆく。
そしてその真空はアバル兵の右手にも食らいつく。
「ぐあっ、まずい!!」
咄嗟に槍を離すアバル兵。
同時に幻影が解け、ジードの回りを旋回していた葉も消える。
「ぐ……貴様、何をした……」
右肩を押さえ膝をつくアバル兵。
そのときアバル兵の右肩から下は、何も残されていなかった。
「あれがジードの新しい力か……」
遠めで見ていたニコも思わず息をの飲む。
しかしジードもまた、息を切らして膝をついていた。
「ちっ、勘のいいヤツだぜ。くっ、頭がれるように痛え。だけど、逃がすわけにはいかねえぜ……」