魔界動乱期
それから、このアバル兵の死体のもとにラウドがやって来た。
「こいつは、アバル軍?アバル国軍の鎧は赤だったと思うが……」
「そいつは‘暗軍(あんぐん)’。アバルに存在する暗殺専門部隊さ。クレイっていうアバル随一の槍術使いだが、能力に溺れたな」
少し離れた場所から近付いてくる一魔の魔獣がそう説明した。
「お前は……」
「あ、あのときの…」
その魔獣を見て、ジードとラウドが同時に声をあげた。
背中の毛が赤く、圧倒的な魔力を内在する魔獣、炎駒であった。
「フロティアの炎駒か?この森に住み着いたという事は聞いていたが……」
「ギルシャスの英雄が俺を知ってくれていたとは光栄だな」
「古い呼び名だ。しかし暗軍がなぜ……」
「少し前に、アバルがある‘力’を手に入れたと聞いた事がある。その力に溺れたか、あるいは確信したのか、この邪魔な森を駆逐しようと考えたんだろうさ」
「ある力?」
「なんでも、キメラでなくても属性を付け加える事が出来るらしいぜ。こいつの‘霧’だって、本来なら絶対にあり得ない。霧の属性は幻魔獣しか使えないからな」
「属性を付け足す?そんなことが……いや、しかし思い当たる節がある」
「こいつは、アバル軍?アバル国軍の鎧は赤だったと思うが……」
「そいつは‘暗軍(あんぐん)’。アバルに存在する暗殺専門部隊さ。クレイっていうアバル随一の槍術使いだが、能力に溺れたな」
少し離れた場所から近付いてくる一魔の魔獣がそう説明した。
「お前は……」
「あ、あのときの…」
その魔獣を見て、ジードとラウドが同時に声をあげた。
背中の毛が赤く、圧倒的な魔力を内在する魔獣、炎駒であった。
「フロティアの炎駒か?この森に住み着いたという事は聞いていたが……」
「ギルシャスの英雄が俺を知ってくれていたとは光栄だな」
「古い呼び名だ。しかし暗軍がなぜ……」
「少し前に、アバルがある‘力’を手に入れたと聞いた事がある。その力に溺れたか、あるいは確信したのか、この邪魔な森を駆逐しようと考えたんだろうさ」
「ある力?」
「なんでも、キメラでなくても属性を付け加える事が出来るらしいぜ。こいつの‘霧’だって、本来なら絶対にあり得ない。霧の属性は幻魔獣しか使えないからな」
「属性を付け足す?そんなことが……いや、しかし思い当たる節がある」