魔界動乱期
ギガは国を大きくしようという気などなく、気の向くままに国へ攻め入り、支配してきた。
その結果としてザガンがメディオとなったのである。

ロイドも過去にギガによって支配下に入ったゼモルの出身だ。
それからというもの、ロイドは力を求めた。
自身の強さ、国の強さ、そして地位。

それは全て、将来ギガを倒してザガン国民に平和をもたらすため。

「ギガ様、ギガ様はメディオの王で満足する方ではない、と私は信じております。更なる高み、隣に位置するグレイド、ギルシャスとの決戦を目指してはいかがでしょうか」

「ギルシャス……ラウドのいる国か」

もちろんロイドの本音ではないが、しばらくギガは考え込んだ。
ギガは自分は魔界の誰にも負けないと考えている。
ゆえに、魔王になる事も可能だ、と。

ロイドの問いかけは、ギガの欲望を多分に刺激した。

「そのために何がいる?」

「国民です。強い魔族、強い国民、そして魔口(人口と同じ意)。全て揃わねばグレイドには近付けません」
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